猛烈に全レース振り返りたくなったので書きます。
キタサンブラックの全レースを振り返る
新馬戦(2015/01/31)
- 人気:3番人気
- 着順:1着
- コース:東京芝1800m
- 騎手:後藤浩輝
この頃は全く先行していなかった。後方3番手辺りで構えて最後の直線で一気に交わして余裕を持ってフィニッシュ。走りもそこまでスムーズじゃなく、ポテンシャルだけで勝った感じ。
3歳500万下(2015/02/22)
- 人気:9番人気
- 着順:1着
- コース:東京芝2000m
- 騎手:北村宏司
新馬戦の勝ち方の割に全く人気が無い。
このレースは大逃げしたマイネルポルトゥスの離れた番手につけて運び、早めに捉えて突き抜けて圧勝。やっぱり手応え悪いというか追いづらそうという感じがするが既にめちゃくちゃ強い。
G2 スプリングステークス(2015/03/22)
- 人気:5番人気
- 着順:1着
- コース:中山芝1800m
- 騎手:北村宏司
このレース、1番人気は伝説の名馬リアルスティール、2番人気はダノンプラチナ。さすが重賞。
今回の逃げ馬の番手につけて、早めに楽々抜け出した。圧勝かと思いきや、後ろからリアルスティールの強烈な末脚に襲われて最後は接戦。それでも残した。やっぱり強い。
このレースはリアルスティールの方が強い競馬したようにも見える。
しかし、「展開向かないなか」とか「進路がなくて」とかで負けながら人気背負う馬って歴史上あまり勝てていないイメージ。結局勝った方が強い。
G1 皐月賞(2015/04/19)
- 人気:4番人気
- 着順:3着
- コース:中山芝2000m
- 騎手:浜中俊
クラシック3冠の初戦「皐月賞」が始まった。
この日も逃げ馬の番手につけていつもの形。良い手応えで直線早めに先頭に立つも、同じく先行していたリアルスティールに捉えられて前を行かれてしまう。今回はリアルスティールの完璧な競馬。
しかしこのレースの衝撃はここから。後方の内にいたドゥラメンテが逸走して大きく外に寄れるも、直線だけであっさり前を捉えて余裕を持ってゴール。「これほどまでに強いのか!!」が生まれた伝説のレースになった。
G1 日本ダービー(2015/05/31)
- 人気:6番人気
- 着順:14着
- コース:東京芝2400m
- 騎手:北村宏司
クラシック3冠の目玉「日本ダービー」。
外枠を引いた上に1000m58秒台のハイペース、長い長い直線の入り口で既に手応えが悪かった。結果は14着と大敗。初の大崩れを経験してしまう。キタサンブラックにとってはいわゆる「度外視して良い」ってレース。
勝ったのはドゥラメンテ。王者のはじけ方だった。その他、3着にサトノクラウン、4着にリアルスティールなど。
G2 セントライト記念(2015/09/21)
- 人気:6番人気
- 着順:1着
- コース:中山芝2200m
- 騎手:北村宏司
菊花賞前哨戦の1つが由緒正しきこのレース。
この日もキタサンブラックは番手に構える。1000m通過は1分1秒。
直線の入り口で前を捉えて先頭に立つ。手応えの割にはじけなかった感はあるものの、最後は後続の追い込みを若干突き放してゴール。
やっぱり安定して強いなという印象。最後の1冠、菊花賞へとコマを進めた。
G1 菊花賞(2015/10/25)
- 人気:5番人気
- 着順:1着
- コース:京都芝3000m
- 騎手:北村宏司
いよいよ最後1冠「菊花賞」。このレースは世代最強ドゥラメンテ怪我で離脱し、本命不在となったていた。
1番人気はダートで卸されていた謎の馬リアファル。前哨戦の神戸新聞杯を勝ち、鞍上込みで支持を集めた。
この日はいつもよりやや後ろ、5番手あたりで折り合いレースを運んだキタサンブラック。残り1200あたりでレースが動き、中段に構えていた馬が数頭がいっきに先頭にとびつこうとするが鞍上北村ジョッキーは我関せずと落ち着いていた。
最後の直線、中段に拉致沿いで進路が無い中キタサンブラックは最内を選択。苦しい手応えになりつつも力強く伸びてきてゴール前、抜け出したかと思いきや、スプリングステークスと同様リアルスティールが突っ込んできた。
「祭りだ!淀は祭りだ!キタサン祭りだ!」の勝ち確定実況がゴール番前で「キタサンブラックかリアルスティールか!」に切り替わるのが何度聞いてもヒヤヒヤする。
勝ったのはキタサンブラック、見事最後の1冠を手にしたものの「ドゥラメンテがいれば、、」という印象は拭えなかった。
G1 有馬記念(2015/12/27)
- 人気:4番人気
- 着順:3着
- コース:中山芝2500m
- 騎手:横山典弘
3歳ラストは名物レース有馬記念。1番人気を背負ったのはラストランのゴールドシップだ。
キタサンブラックは好スタートからほんの少し掛かり気味に先頭に立ち馬群を率いる。「逃げ」というよりは、たまたま先頭にいただけみたいな感じ。
レースは比較的淡々と進むが、改めて見返すと、ハナを叩きかけたゴールドアクターを抑えたのがファインプレーだったように見える。
良い手応えで最終コーナーを迎えたキタサンブラック、残り400で鞍上が追い出し直線へ。最後の最後まで良い脚で粘るが、好位にいたゴールドアクターが抜け出して完勝。中段から突っ込んで来たサウンズオブアースにも差され3着に終わった。
沈みそうな流れだったのにちゃんと残せるのはやっぱり凄い。
G2 産経大阪杯(2026/04/03)
- 人気:5番人気
- 着順:2着
- コース:阪神芝2000m
- 騎手:武豊
「王道はここから」。まだG2だった大阪杯がキタサンブラックの古馬始動戦。
彼は今日も抑えながら先頭に立ち、緩めのラップを刻んでいた。
そしてあっという間に4コーナーから直線に向かう。この時点で前のこりの気配が漂っていた。
残り200時点でまだ他馬を寄せ付けない脚色のキタサンブラック。しかし、残り150あたりからジリジリと、番手に構えていたアンビジャスが迫り、残り数十メートルあたりで捕まって首差の2着に終わった。
G1 天皇賞(春)(2016/05/01)
- 人気:2番人気
- 着順:1着
- コース:京都芝3000m
- 騎手:武豊
古馬王道を歩み始めたキタサンブラック。
この日も好スタートから、やや促されながらハナを切り、武豊がゆるいペースを刻む展開になった。この頃になると新馬のころの細かい暴れは一切見えず、本当に気持ちよさそうに走っている。かっこいい。。坂を迎えても綺麗にレースが流れていく。
そして4コーナーから直線へ。抜群の手応え。しかし残り200で追い上げてきたカレンミロティックに差されてしまう。が、そこから根性で差し替えし、キタサンブラックは見事ハナ差でレースを制した。
終盤までは可憐に、最後は泥臭く。。「良い馬だな」「好きだな」と感じるレースだった。
G1 宝塚記念(2016/06/26)
- 人気:2番人気
- 着順:3着
- コース:阪神芝2200m
- 騎手:武豊
菊花賞と春天を制したキタサンブラックの前に、再び怪物ドゥラメンテが立ちはだかる。
そこそこのスタートから押し出されるように先頭に立つ。序盤はちょっとだけ掛かっていた。稍重で100m59秒1と、ここ最近のキタサンブラックにしては速い流れ。
しかしながら抜群の手応えで直線に突入し、独走状態に入る。ドゥラメンテは後方で進路取りにやや手間取り、これはキタサンブラックで決まりかと思った最中、牝馬のマリアライトが突っ込んで来て前を交わし先頭に立った。更に後ろからドゥラメンテも突っ込んで来て前を捉える勢い、しかし勝ったのはマリアライト。失礼ながら「いや誰?」という感じ。彼女はここ数走ナイスランばかりだったし、戦績見ると渋った馬場が得意そうなので、今の時代だったらもっと人気してたんだろうなと。
しかしこのレース、明らかに後ろに展開が向いたようなレース結果だったので、キタサンブラックは負けて強しだったと言える。
G2 京都大賞典(2016/10/10)
- 人気:1番人気
- 着順:1着
- コース:京都芝2400m
- 騎手:武豊
単勝1.8倍を背負い、やっと実力通りの人気を背負うようになったキタサンブラック。
今日は手綱を抑えて番手につけレースを運ぶ。ここ数走は先頭に立ってばかりだったので、懐かしきスタイル。
相変わらず良い手応えで直線を迎えて先頭に立ち、最終的にはクビ差だったものの危なげなく1着でフィニッシュ。素直に王者です。
G1 ジャパンカップ(2016/11/27)
- 人気:1番人気
- 着順:1着
- コース:東京芝2400m
- 騎手:武豊
ダービーで大敗して以来のこのコース。そしてリアルスティールとの再戦になった。
しかし、キタサンブラックに去年のような幼さはもう見えない。
やや体制を崩しつつも結果的に好スタートを切り2馬身差くらいとって先頭に立ちレースを運ぶ、1000m通過地点でやや加速するなど絶妙な逃げでペースを刻み抜群の手応えで長い直線に立つ。
これを追える者はいなかった。2馬身以上の着差で危なげなく勝利。あまりにも王者。完勝。強かった。
G1 有馬記念(2016/12/25)
- 人気:2番人気
- 着順:2着
- コース:中山芝2500m
- 騎手:武豊
サトノダイヤモンドと初対戦。
この日は大きく逃げたマルターズアポジーの番手につけた。そのままいつも通り淡々とレースを運び、良い手応えで早めに前を捉えて先頭に立った。
このまま押し切るかと思いきや、サトノダイヤモンドが最後にぐいっと伸びてきて1着でフィニッシュ。キタサンブラックは2着に敗れた。
これはサトノダイヤモンドが強かったとしか言いようがない。素晴らしい闘いでした。
G1 大阪杯(2017/04/02)
- 人気:1番人気
- 着順:1着
- コース:阪神芝2000m
- 騎手:武豊
5歳を迎えたキタサンブラックは今年も王道を歩む。まずは大阪杯。
抑え加減で一を取り3番手の内でレースを進める武豊、遠目で隊列を見てもキタサンブラックからは覇気を感じる。
レースはシンプルだった。4コーナーで1頭交わしながら直線に入り、早々と先頭を捉え、後続を寄せ付けず1着でゴール。ただただ強い。
G1 天皇賞(春)(2017/03/40)
- 人気:1番人気
- 着順:1着
- コース:京都芝3200m
- 騎手:武豊
連覇がかかる天皇賞春は、サトノダイヤモンドとの再戦になった。
大きく逃げたヤマカツライデンの番手につけたキタサンブラック、後ろを率いて堂々たる走りでレースを運び、残り600mあたりで先頭に立ち直線へ。このとき後ろにはシュバルグランとサトノダイヤモンドも迫ってきていた。
しかし終わってみれば大阪杯の再現、そのまま寄せ付けずに先頭でゴール。現役最強を印象づける結果となった。
G1 宝塚記念(2017/06/25)
- 人気:1番人気(1.4倍)
- 着順:9着
- コース:阪神芝2200m
- 騎手:武豊
これだから競馬は怖くて面白い。しかし今時は古馬王道ローテを歩む馬がいないからこのローテ見ると趣深い気持ちになります。
キタサンブラック今日は外目の4番手でレースを進める。残り800から前を捉える加減でコーナーを回り直線へ向いた。手応えも悪くなさそうに見える。しかし苦しい、伸びない。
最後は馬群に沈み10着、夏のグランプリはサトノクラウンが手にすることになった。
言い訳として終始外目を回ってしまったってのがありそうだが、ここまで負けた原因が見つからない。やる気が出なかったのだろうか。
G1 天皇賞(秋)(2017/10/29)
- 人気:1番人気(3.1倍)
- 着順:1着
- コース:東京芝2000m
- 騎手:武豊
秋G1シーズン開幕。初戦は天皇賞秋、サトノクラウンへのリベンジなるか。
この日は雨で、ぐちゃぐちゃの不良馬場。各馬にとって未体験の環境で、波乱も起こりそうな気配があった。
この日、キタサンブラックは初の出遅れ。そのまま無理には活かせず後ろ目の内で構えてレースを運ぶことに。宝塚の大敗からの復帰戦、雨の中、早くも不安が募る。
じわじわと位置を押し上げたキタサンブラックは残り800m辺りで4番手へ、そのままコーナーを回るが、ここであっさり先頭に立ってしまう。他馬が伸びるであろう外に進路を取る中、彼だけが最内を選択したのだ。
にも関わらず、長い直線の中間あたりではもう馬場の真ん中あたりでレースを引っ張る形になっていた。最後はサトノクラウンの猛追を凌いで先頭でゴール。やはり現役最強。
「仁川の悲鳴は杞憂に終わった!」
この実況好き。
G1 ジャパンカップ(2017/11/26)
- 人気:1番人気(2.1倍)
- 着順:3着
- コース:東京芝2400m
- 騎手:武豊
引退宣言キタサンブラック、これ含め残り2レース。府中のターフに別れを告げるジャパンカップ。
今日は抑えながらも先頭に立って、見慣れた展開。やはり淡々とペースを刻み、楽な手応えで直線に入る。
直線も去年と同様、他馬を率いて堂々と、危なげなく先頭を走っているように見える。しかし、残り200m。シュヴァルグランとレイデオロが外から鋭い脚で差し込み、キタサンブラックは3着に敗れてしまう。勝ったのはシュヴァルグラン。
キタサンブラックの同期には強い馬が多かったなとつくづく思う。サトノクラウン、ドゥラメンテ、リアルスティール、シュヴァルグラン、、。血統にも出てくる名前が多い。
G1 有馬記念(2017/12/24)
- 人気:1番人気(1.9倍)
- 着順:1着
- コース:中山芝2500m
- 騎手:武豊
キタサンブラックのラストラン、あまりにも主人公過ぎる。このレースは実況覚えるほど見た大好きなレースです。
彼は最後も先頭に立ってレースを運ぶ。この日だけじゃない、日本競馬を引っ張ってきたことの象徴であるかのように、大きくは逃げず、馬群を率いる形。
前半1000mは1分1秒6というそこそこのスローペース。シャケトラにピッタリとマークされ続けるが焦りはない。
いよいよ最後の直線。「我慢比べになるのか有馬記念!」でいつも泣きそうになる。
残り300mあたりから追い出したキタサンブラックは、直線に入ってから馬群を引き離し堂々先頭に立った。そのまま誰も寄せ付けずに、圧倒的な強さでG17勝目を挙げ、引退の花道を飾った。
強かった。
おしまい
種馬になってからも数々の名馬を輩出しますが、それはもう少し後の話。
数々のドラマがとてつもなく短いスパンで駆け抜けるのが競馬の面白さ。
他の馬でも全レース振り返るやつやろうと思います。長い旅をしたような気分になれてとても楽しかったです。
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